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【第12回 AI】MetaがNVIDIAとAMDを同時採用――AIインフラは「GPUを選ぶ時代」から「組み合わせる時代」へ

生成AIの普及によって、企業のAI活用が急速に広がっています。

これまでAI向けの計算環境といえば、NVIDIAの高性能GPUが大きな注目を集めてきました。

しかし、今週発表されたニュースは、AIインフラ市場に新たな変化が起きていることを示しています。

FacebookやInstagramを運営するMetaが、NVIDIAとAMDの双方との戦略的な協業を拡大すると発表したのです。

NVIDIAは10月26日、MetaのAIモデル「Muse」の開発・運用に向けた協力強化を発表しました。

翌27日にはAMDも、MetaのAIインフラ向けにGPU、CPU、ネットワーク、ソフトウェアを組み合わせた協業を進めると発表しています。
NVIDIA Newsroom+1

これは、単純にNVIDIAからAMDへ切り替えるという話ではありません。

世界最大級のAIインフラを構築する企業が、複数の半導体メーカーの技術を活用し、それぞれの特性を生かそうとしている点が重要です。

今回は、この動きが企業のGPUサーバー選びにどのような影響を与えるのかを解説します。

1.MetaはなぜNVIDIAとAMDの両方を利用するのか?

Metaは、生成AIモデルの開発だけでなく、FacebookやInstagramで利用される推薦システムや、AIエージェントなど、多様なAI処理を行っています。

これらのAI処理に必要な計算能力は、用途によって大きく異なります。

大規模言語モデルの学習では、多数のGPUを高速ネットワークで接続する必要があります。

一方、AIエージェントでは、AIモデルによる文章生成に加えて、プログラムの実行、データベースへのアクセス、外部システムとの連携なども発生します。

こうした処理では、GPUだけでなくCPUやネットワークも重要になります。

Metaは、このような幅広い計算需要に対応するため、複数の技術を活用していると考えられます。

さらに、複数のメーカーを利用することには、調達先の分散やコスト比較、用途ごとの最適化といった利点もあります。

ただし、異なるGPUを組み合わせれば自動的に性能が向上するわけではありません。ソフトウェアや運用体制の対応も必要です。

2.NVIDIAは次世代「Vera Rubin」の導入拡大へ

今回NVIDIAが発表したのは、MetaのMuseモデルを支えるAI計算基盤の強化です。

中心となるのが、次世代のAI計算プラットフォーム「Vera Rubin」です。

Vera Rubinは、NVIDIAのGPU、CPU、高速接続技術などを組み合わせたAI計算基盤です。

Metaは今後、Vera RubinやVera CPUの導入を拡大する方針を示しました。

また、GPUサーバー間の通信を高速化するSpectrum-X Ethernetや、ネットワーク処理を担当するBlueField-4の導入も予定しています。
NVIDIA Newsroom

ここで注目したいのは、NVIDIAがGPU単体ではなく、システム全体を提供しようとしている点です。

AIモデルの計算が高速でも、CPUやネットワークが遅ければGPUの能力を十分に活用できません。

そのため、AIサーバーの性能を高めるには、GPU以外の部分も含めた最適化が必要になります。

3.AMDもMeta向けAIインフラを拡大

AMDは10月27日、Metaとの協業について重要な発表を行いました。

AMDによると、MetaではすでにAMD Instinct GPUが学習処理や推薦システムなどの本番環境で利用されています。

また、AMD EPYCサーバー用CPUも、Metaの大規模な計算基盤を支えています。

今回特に注目されるのは、ラック単位でAI計算基盤を構成する「AMD Helios」です。

AMDは、初期のHeliosシステムがMetaに設置され、より大規模な導入に向けて試験されていることを明らかにしました。

さらにMeta向けに最適化されたAMD Instinct GPUの導入も計画されています。
AMD Newsroom

これまでAMDは、NVIDIAの競合GPUメーカーとして紹介されることが多くありました。

しかし、今回の発表を見ると、AMDもGPUだけでなく、EPYC CPU、Pensandoネットワーク技術、ROCmソフトウェアなどを組み合わせたAIインフラ全体の提供を進めています。

つまり、NVIDIAとAMDの競争は、GPU単体の処理性能だけではなくなっているのです。

4.OracleもNVIDIAとAMDの双方との協業を強化

今週は、クラウド事業者Oracleからも重要な発表がありました。

10月27日、NVIDIAはOracle Cloud Infrastructure(OCI)において、Vera Rubin NVL72とVera CPUの一般提供が開始されたと発表しました。

また、Vera Rubin NVL72を利用するOCIのスーパーコンピューティング基盤を、将来的に複数ギガワット規模へ拡張する計画も示しています。これは今後の計画であり、その規模の設備がすでに完成したという意味ではありません。
NVIDIA Newsroom

同じ27日、AMDもOracleとの協業拡大を発表しました。

第6世代AMD EPYCプロセッサを今後のOCI Compute E7インスタンスに採用するほか、AMD Pensandoの技術をネットワーク処理に活用する計画です。
AMD Newsroom

ここでも、NVIDIAとAMDの両方がAIインフラを構成する重要な技術として採用されています。

AIクラウドは、特定のGPUだけで構成されるものではなく、CPU、GPU、ネットワーク、ストレージ、ソフトウェアなどを組み合わせた巨大なシステムです。

この傾向は、今後の企業向けAIサーバー選定にも影響すると考えられます。

5.NVIDIAとAMDのGPUは何が違うのか?

企業がGPUサーバーを選ぶ場合、価格や演算性能だけでなく、開発環境の違いも重要です。

NVIDIAには「CUDA」、AMDには「ROCm」というGPU向けの開発・実行環境があります。

CUDAは、NVIDIA GPUを利用したAI開発や科学技術計算で広く使われている技術基盤です。

ROCmは、AMD GPUでAIモデルの学習・推論や高度な計算処理を実行するためのソフトウェア環境です。

どちらもAI開発に利用できますが、既存のプログラムやライブラリがそのまま同じように動作するとは限りません。

例えば、NVIDIA GPU向けに最適化されたプログラムをAMD GPUへ移行する場合、一部のライブラリや設定を変更する必要があることもあります。

そのため、GPUを選ぶ際には、次のような点を確認することが重要です。

比較項目 確認するポイント
GPU性能学習速度、推論速度、GPUメモリ容量
開発環境CUDA・ROCmなどへの対応
ソフトウェア利用するAIモデルやライブラリとの互換性
導入費用GPUサーバー本体、ネットワーク、ストレージ
運用費用電力、冷却、保守、管理
拡張性GPUの追加や計算能力の増強が可能か

重要なのは、GPUの仕様表に記載された性能が高くても、実際に利用するAIモデルで最も速いとは限らないという点です。

6.日本企業はどのようなGPU環境を選ぶべきか?

MetaやOracleのような大規模AI事業者と、日本の一般企業とでは、必要な計算環境は大きく異なります。

例えば、社内文書を検索して回答するAIシステムであれば、大規模な学習用GPUクラスターが必要とは限りません。

一方、独自の大規模言語モデルを開発したり、大量の画像データを学習させたりする場合には、高性能GPUが必要になることがあります。

そこで、企業にとって重要になるのが、GPUサーバーを購入する前に、実際の処理を検証することです。

GPUクラウドを利用すれば、高性能GPUサーバーを購入することなく、必要な計算性能やGPUメモリ容量を確認できます。

また、GPUの利用頻度によっては、自社GPUサーバーを購入するよりもクラウド利用の方が合理的な場合があります。

逆に、長期間にわたって継続的にGPUを使用する場合や、データ管理上の制約がある場合には、自社GPUサーバーが適していることもあります。

企業が考えるべきことは、必ずしも最新・最高性能のGPUを選ぶことではありません。

自社のAI業務に必要な処理性能を、どれだけ合理的な費用で確保できるか。

これが、AIインフラ導入で最も重要な判断基準になります。

7.GPUクラウド「GPUSOROBAN」という選択肢

株式会社ハイレゾが提供するGPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」では、NVIDIA製GPUを利用した高性能な計算環境が提供されています。

例えば、「計算クラスター B200」では、NVIDIA B200を搭載したGPUクラスターをGPU1枚・1分単位で利用できます。

大規模なAI学習や研究開発などに対応し、GPUサーバーを自社で購入・構築せずに計算処理を実行できます。
株式会社ハイレゾ+1

一方、GPUSOROBANの高速コンピューティングでは、NVIDIA A4000やA100などのGPU環境も提供されています。

用途に応じて、必要な性能と費用のバランスを考えながらサービスを選ぶことができます。

今回Metaが発表したVera RubinやAMD HeliosをGPUSOROBANで利用できるという意味ではありませんが、GPUを所有せずに必要な計算環境を利用するという考え方は共通しています。

なお、GPUクラウドの料金はGPUの種類やサービスによって異なります。例えばB200計算クラスターはGPU利用料のほかにストレージ料金や初回ポイント購入条件があるため、導入前に確認する必要があります。
GPUSOROBAN

8.これからは「GPUを所有する」より「計算能力を活用する」時代へ

今回のMetaとNVIDIA、AMDの発表は、AIインフラの進化を象徴するニュースです。

NVIDIAはVera Rubinによって次世代AI計算基盤の拡大を進めています。

AMDもInstinct GPUやEPYC CPUを組み合わせたAIインフラを拡大しています。

そしてMetaやOracleは、複数のメーカーの技術を採用しながら、それぞれの業務に最適な計算環境を構築しようとしています。

企業がAIを導入するときも、特定のGPUメーカーだけに注目するのではなく、ソフトウェアとの互換性、必要な処理性能、導入費用、運用費用を含めて判断することが重要です。

そのためには、GPUクラウドで実際の処理を検証し、その結果をもとに自社GPUサーバーを導入するか、クラウドを継続利用するかを検討する方法が有効です。

AIの導入が本格化するこれからの時代は、GPUの性能だけでなく、計算資源をどれだけ効率よく活用できるかが企業の競争力を左右することになるでしょう。

GPUサーバー・AI向けサーバーの導入をご検討の方へ

ウイルネットでは、GPUサーバー、AI向けサーバー、GPUクラウドの導入に関するご相談を承っております。

弊社は、株式会社ハイレゾが提供するGPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」の正規代理店です。

GPUサーバーを自社で購入する方法と、GPUクラウドを利用する方法のどちらが適しているかは、利用するAIモデルや計算処理の内容、利用頻度によって異なります。

ウイルネットでは、大学・研究機関・企業へのGPU関連サービスの導入経験を踏まえ、お客様の用途に応じた計算環境をご案内いたします。

GPUクラウドについては、ご利用サービスや契約条件に応じた割引プランのご相談も承っております。

独自LLMの開発、生成AIの学習、画像解析、科学技術計算など、GPUを必要とする業務をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

GPUSOROBANのサービス詳細・お問い合わせ

GPUSOROBAN ― 高速コンピューティング

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参考資料・公式発表

NVIDIA公式:MetaとのAIインフラ協業拡大(2026年10月26日)
AMD公式:MetaのAIインフラ向け戦略的協業(2026年10月27日)
NVIDIA公式:OracleとのVera Rubin導入拡大(2026年10月27日)
AMD公式:Oracleとのクラウド基盤協業拡大(2026年10月27日)
株式会社ハイレゾ公式:GPUSOROBANサービス一覧

執筆・監修:株式会社ウイル 執行役員 岸本 静樹
編集協力:生成AI
岸本

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