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【第4回 AI】AIは「クラウドだけ」の時代ではない GPUインフラがデータセンターから企業内へ広がる理由

生成AIというと、「ChatGPTのようなクラウドサービスをインターネット経由で利用するもの」というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

しかし現在、AIインフラの世界では少し違う動きが始まっています。

それは、

「AIをどこで動かすのか」

という選択肢が急速に増えていることです。

巨大なAIデータセンターで動かす方法もあれば、GPUクラウドを利用する方法、自社データセンターにGPUサーバーを設置する方法、さらにはオフィス内のAIワークステーションでAIを動かす方法まで登場しています。

2026年9月に発表された複数のニュースを見ると、この流れが一段と加速していることが分かります。

NVIDIA、オーストラリアで最大2GW規模のAIインフラを構築へ

NVIDIAは9月9日、オーストラリアのデータセンター事業者などと協力し、2027年までに最大2ギガワット規模のAIインフラを構築する計画を発表しました。

Firmus、Sharon AI、IREN、NEXTDC、AirTrunkなど複数の事業者が参加し、NVIDIAの「DSX」と呼ばれるAIファクトリー基盤を利用します。

そのうちSharon AIでは、最大6万8,000基のNVIDIA GPUを展開する計画も示されています。

NVIDIAは近年、AI用のデータセンターを単なる「データを保存する場所」ではなく、電力を使ってAIの計算能力を生み出す**「AI Factory(AIファクトリー)」**と表現しています。

従来のデータセンターではWebサイト、メール、データベースなどを動かすことが中心でした。

AIファクトリーでは、それに加えて大量のGPUを使い、

AIモデルの学習
生成AIの推論
AIエージェント
科学技術計算
シミュレーション
ロボティクス

などを処理します。

つまり、AIの普及に伴ってデータセンターそのものの役割が変化しているのです。

一方で「巨大データセンターとは逆」の流れも

興味深いのは、AIコンピューティングが大型化する一方で、同時に小型化・分散化も進んでいることです。

HPは9月9日、Red Hat、NVIDIAと共同で、企業がAIをクラウドだけでなく自社内やエッジ環境でも実行できるAI基盤を発表しました。

HPの「ZGX Fury」とRed Hat AI Factory、NVIDIAの技術を組み合わせ、AIの推論処理をユーザーやデータの近くで実行できる環境を目指しています。

ここで重要になるのが「推論」です。

AIには大きく、

学習(Training)

推論(Inference)

があります。

大量のデータからAIモデルを作る処理が学習。

完成したAIモデルに質問をして回答を出させたり、画像を解析させたりする処理が推論です。

企業でAIの利用が広がるほど、日常的に発生するのは推論処理です。

そのため今後は、すべての処理を巨大クラウドへ送るのではなく、用途によっては企業の近くでAIを動かすという考え方が増えると考えられます。

なぜ企業内でAIを動かしたいのか

企業がAIを自社環境で動かしたい理由の一つが、データ管理です。

例えば、

顧客情報
設計図面
研究データ
社内文書
製造データ
契約書
財務情報

などを扱うAIの場合、企業によっては「外部クラウドへデータを送ること自体を避けたい」というケースがあります。

9月10日にはNVIDIAとPalantirも、企業が独自データの管理・所有権を維持しながらAIを利用するための「Sovereign AI(ソブリンAI)」基盤を発表しました。

NVIDIA自身のサプライチェーンで最初に導入し、その後クラウドだけでなくオンプレミス環境でも利用できる構成を提供するとしています。

AIの性能だけでなく、

「データをどこに置くか」
「AIをどこで実行するか」

までが企業の重要な判断事項になってきているわけです。

AMDは「デスク横に置くAIスーパーコンピューター」

さらに興味深い動きがあります。

AMDはIFA Berlin 2026で、「Threadripper Halo Station」というAIワークステーションを公開しました。

最大96コアのAMD Ryzen Threadripper PROプロセッサーとAMD Instinctアクセラレーターを組み合わせ、最大576GBのGPUメモリ、最大2TBのシステムメモリを搭載可能な構成です。

AMDはこれを、これまでデータセンターで使用されていたクラスのAI計算能力をデスクサイドに持ってくるシステムとして位置付けています。

数年前までなら、大規模AIモデルを動かすためにはデータセンターのGPUサーバーが必要でした。

それが今後は、一部の用途であれば企業の研究室や開発部門に設置したワークステーションでも処理できるようになる可能性があります。

AIインフラは「クラウドかオンプレか」の二択ではなくなる

ここまでを見ると、今後のAIインフラは単純に、

「クラウドを使う」

または

「GPUサーバーを購入する」

という二択ではなくなると思います。

例えば、

検証・PoC → GPUクラウド

機密データを使った推論 → 社内GPU

大規模学習 → GPUクラスター

一時的な大規模計算 → GPUクラウド

というように、用途ごとに計算環境を使い分ける方法です。

このような構成は一般に「ハイブリッドAI」と呼ばれることがあります。

Red Hatが9月9日に発表したRed Hat AI 3.5でも、GPUを共有資源として管理する「GPU as a Service」の機能が強化されました。

GPU使用率やGPUの種類、割り当て状況などを管理し、複数部門で高価なGPU資源を効率的に共有する考え方です。

これは企業にとって非常に重要な考え方です。

GPUは高価だからです。

「GPUを買う前にクラウドで試す」という考え方

高性能GPUサーバーでは、構成によって数百万円以上の投資になることがあります。

しかもGPUは世代交代が速いため、購入したGPUを十分活用できなければ大きな投資負担になります。

そこで有効なのが、

まずGPUクラウドで試す

という方法です。

株式会社ハイレゾが提供する「GPUSOROBAN」では、NVIDIA B200を搭載したGPUクラスターをGPU1枚単位・1分単位で利用できます。

小規模な検証からマルチノードによる大規模AI学習まで、必要な計算量に応じて利用できます。

またGPUSOROBANは、AI・IT企業だけでなく、製造業、建設業、大学・研究機関などを含め累計2,000件以上の利用実績があります。

今後AI導入を検討する企業にとって重要なのは、

「最新GPUを買うこと」ではありません。

重要なのは、

「自社のAIに必要な計算能力を、どこで、どの程度、どの期間利用するのが最も合理的なのか」

を判断することです。

AIインフラが巨大データセンターから企業内、さらにデスクサイドまで広がり始めた現在、この考え方はますます重要になっていくでしょう。

GPUサーバー・AI向けサーバーの導入をご検討の方へ

GPUサーバーやAI向けサーバー環境についてご検討の際は、ウイルネットへお気軽にお問い合わせください。

弊社では、株式会社ハイレゾが提供するGPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」の正規代理店を行っております。

弊社を通じてご契約いただくことで、サービス・構成等に応じて、直接契約する場合と比較して5%~10%程度お安くご提供できる場合があります。

AIスパコンや高性能GPUサーバーは数百万円規模になることも珍しくありません。例えば500万円規模で10%の価格差があれば、約50万円のコスト差になります。

弊社では、大学・研究機関をはじめ、一般企業のお客様にもGPUサーバー・AI関連サービスをご導入いただいております。

「GPUサーバーを購入するべきか」「GPUクラウドを利用するべきか」「どのGPUが自社のAIに適しているのか」といった導入検討段階からでもご相談ください。

今回の主な参考資料です。
NVIDIA:オーストラリアで最大2GWのAIインフラ構築計画(2026年9月9日)
HP:Red Hat・NVIDIAとの企業向けAI基盤(2026年9月9日)
NVIDIA:PalantirとのSovereign AI発表(2026年9月10日)
AMD:Threadripper Halo Station
GPUSOROBAN:GPUクラウドサービス

GPU・AIサーバーの導入をご検討の際は、ウイルネットまでお気軽にお問い合わせください。

GPUSOROBAN ― 高速コンピューティング
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執筆・監修:株式会社ウイル 執行役員 岸本 静樹
編集協力:生成AI
岸本

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