最新のお知らせ
11.52026
【第13回 セキュリティ対策】セキュリティ製品を増やしたのに安全にならない?――中小企業に必要な「統合管理」という考え方
ウイルス対策ソフト、バックアップ、EDR、パッチ管理、端末管理――。
サイバー攻撃への不安から複数の製品を導入したものの、「どの端末が守られているのか」「誰がアラートを確認するのか」「本当に復元できるのか」を把握できていない企業は少なくありません。
セキュリティ製品は、導入しただけでは会社を守ってくれません。
製品や管理画面が増えるほど、担当者の負担が大きくなり、設定漏れ、パッチの未適用、アラートの見落とし、バックアップ失敗の放置といった「運用上の隙間」が生じることがあります。
Acronis Cyber Protect Cloudが「Acronis Cyber Platform」へ
Acronisは2026年10月21日、サービス事業者向けに提供してきた「Acronis Cyber Protect Cloud」などの名称を「Acronis Cyber Platform」へ統一すると発表しました。
Acronisのサポート情報では、バージョンC26.09から新名称へ変更されています。
今回の名称変更には、バックアップ製品としてだけでなく、データ保護、サイバーセキュリティ、端末管理、IT運用の自動化などを一つの基盤で提供するという方向性が表れています。Acronis Cyber Platform公式情報
Acronis公式発表「Acronis Cyber Protect Cloud is now Acronis Cyber Platform」
当面は、従来の製品名が資料や管理画面などに残る可能性があるため、本コラムでは分かりやすさを優先して、**Acronis Cyber Platform(旧Acronis Cyber Protect Cloud)**と表記します。
製品の分散管理が生む5つの問題
複数の製品を別々に管理している環境では、次のような問題が発生しやすくなります。
1.保護されていない端末が残る
新しく購入したパソコンや一時的に使用する端末に、セキュリティソフトやバックアップ設定が導入されていないことがあります。
管理者が端末の存在を把握していなければ、脆弱性やマルウェア感染にも気づけません。
2.脆弱性を発見しても修正されない
脆弱性診断で問題を発見しても、パッチ適用が別の製品や手作業になっていると、対応が先送りされることがあります。
「不具合が起きたら困る」という理由で、重要な更新プログラムが長期間適用されていないケースにも注意が必要です。
3.アラートが放置される
セキュリティ製品から通知が届いても、その危険度や対応方法が分からなければ、確認されないまま放置されます。
アラートを受信するだけでなく、誰が確認し、端末の隔離や調査を行うのかを決めておく必要があります。
4.バックアップの失敗に気づかない
バックアップ製品を導入していても、保存先の容量不足、認証エラー、通信障害などによって、バックアップが止まっていることがあります。
障害やランサムウェア被害が発生してから、復元できるデータがないことに気づく可能性もあります。
5.復旧方法が決まっていない
データを保存していても、どの順番でサーバーや端末を復旧するのか、誰が作業するのか、何時間以内に業務を再開するのかが決まっていなければ、復旧には時間がかかります。
「導入製品名や数」ではなく「運用できているか」を確認する
中小企業がセキュリティ体制を見直す場合、まず次の項目を確認してください。
– 会社が保有するパソコンとサーバーを一覧にしているか
– 各端末のOSやソフトウェアを把握しているか
– 脆弱性や未適用パッチを確認できるか
– 重要なアラートを誰が確認するか決まっているか
– バックアップの成功・失敗を定期的に確認しているか
– 実際にデータを復元したことがあるか
– 担当者が不在でも対応できる手順があるか
一つでも「分からない」があれば、製品を追加する前に、現在の運用状況を整理する必要があります。
Acronis Cyber Platformで統合できる対策
Acronis Cyber Platformでは、対応するパソコン、サーバー、仮想環境などについて、バックアップ、サイバーセキュリティ、端末管理、復旧を一つの基盤から運用できます。
契約するプランや追加機能に応じて、次の対策が可能です。
– パソコン・サーバーのバックアップ
– ファイル単位・システム全体の復元
– 脆弱性評価
– OSや対応アプリケーションのパッチ管理
– ソフトウェア・ハードウェアの構成管理
– マルウェア・ランサムウェア対策
– EDR・XDRによる不審な動作の検知と対応
– リモート監視・端末管理
– 保護状況のレポートと可視化
– 障害時にクラウド環境で業務を再開するディザスタリカバリ
Acronisは、バックアップ、セキュリティ、端末管理などを、単一のエージェントと管理基盤へ統合できる点を特徴としています。
必要な機能だけを組み合わせることも可能です。
パッチ適用前にバックアップを取得する
脆弱性が公表されても、業務システムへの影響を心配してパッチ適用が遅れることがあります。
Acronisの「フェールセーフパッチ」では、更新プログラムを適用する前にバックアップを取得し、更新によって問題が発生した場合の復旧に備えられます。
これにより、次の流れを一つの運用として管理しやすくなります。
1. 脆弱性を発見する
2. 対象端末を確認する
3. 更新前のバックアップを取得する
4. パッチを適用する
5. 問題があれば以前の状態へ戻す
単にパッチ適用を自動化するだけでなく、更新に伴う障害リスクにも備えられる点が重要です。
EDRとバックアップを別々に考えない
EDRは、端末上の不審な動作を検知し、攻撃の流れや影響範囲を調査する仕組みです。
しかし、攻撃を検知できても、破壊・暗号化されたデータを元に戻せるとは限りません。
一方、バックアップだけでは、攻撃者が現在も端末内で活動しているか判断できません。
そのため、次の対策を連携させる必要があります。
– マルウェアや不審な動作を検知する
– 感染した端末をネットワークから隔離する
– 攻撃の影響範囲を確認する
– マルウェアを取り除く
– 安全性を確認したバックアップから復旧する
– 復旧後も再侵入がないか監視する
Acronisでは、EDRとバックアップを同じ基盤上で運用することで、検知から対応、復旧までの流れをまとめやすくなります。
新しいAI対応管理画面も段階的に提供
Acronisは名称変更と同時に、新しいAIネイティブ管理画面「Cyber Console」の早期提供を開始しています。
顧客や端末の管理、アラートから対応すべき内容の整理、コンプライアンス確認、運用情報のレポートなどを効率化する機能が予定されています。
ただし、現時点では早期提供または今後提供予定の機能が含まれ、利用できる時期は地域や契約内容によって異なります。
「AIが自動的にすべての問題を解決する」と考えるのではなく、実際の提供状況を確認しながら活用する必要があります。
Acronisだけですべてを防げるわけではない
Acronis Cyber Platformは、サーバー、業務端末、データの保護に有効ですが、すべてのセキュリティ対策を代替する製品ではありません。
次の対策は別途検討する必要があります。
– Webアプリケーション脆弱性診断
– WAFによるWeb攻撃の遮断
– APIセキュリティ
– DDoS・ボット対策
– 多要素認証とアクセス権限管理
– メールセキュリティ
– 従業員へのセキュリティ教育
– クラウドサービスの設定監査
WebサイトやAPIの入口、サーバーや端末、データとバックアップを、それぞれ適切な方法で守る多層防御が必要です。
導入後の運用までウイルネットが支援します
セキュリティ製品は、契約してインストールすれば終わりではありません。
保護対象の確認、設定、アラート監視、パッチ適用、バックアップ結果の確認、復元テストなどを継続する必要があります。
ウイルネットでは、Acronis Cyber Platformを活用した次の対策についてご相談を承っています。
– パソコン・サーバーの保護状況の確認
– バックアップ計画の作成
– ランサムウェア・マルウェア対策
– EDRの導入と運用
– 脆弱性評価とパッチ管理
– 復元テストとディザスタリカバリ
– 複数製品に分散した管理の見直し
「バックアップはあるが、本当に復元できるか分からない」
「ウイルス対策ソフトだけで十分か確認したい」
「複数の管理画面をまとめたい」
「社内に専任のIT担当者がいない」
このようなお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

